Consulting  Report
Green-Eco Sigma

「省エネ革命」の衝撃 −省エネの取り組みを科学する−

シリーズ1

佐藤 増雄
シグマ・パートナーズ代表
 
マスターブラックベルト

1.なぜ、今「省エネ革命」なのか

1.1 地球温暖化防止とスマートグリッド革命の始まり

 温室効果ガスを2020年までに「90年比25%減」、これが地球温暖化防止に関する日本の新しい中期目標となりました。あわせて発展途上国や新興国に対して日本の省エネ技術や資金を提供し、日本の新たな産業再生の起爆剤になるべく期待されています。

これらをリードしていく計画がスマートグリッドで、環境技術とインターネットなどの情報通信技術を融合させ低炭素社会を実現することを狙いとしています。このように情報だけでなく電力などのエネルギーについても観客型から参加型になり、アルビン・トフラーの言った「プロシューマー」(生産消費者)の時代になり、利用者視点での賢い電力の使い方を考えることが必要になってきました。

 こうした中、2010年4月から適用されている「改正省エネ法」や「東京都環境確保条例」だけでなく、地方自治体における環境に対する条例改正や規制の動きは各地に拡大しており、エネルギー消費量の多い事業者や各種施設には省エネ対策が求められると同時に、厳しい事業環境の中でコスト削減に向けて中小事業者や各種法人・団体・個人事業者などでも例外なく省エネ努力が必要になって来ています。

 

1.2 省エネ対策の決め手は“即効性”と“投資回収の早さ”

オフィスに対する規制強化など、省エネ活動は企業の必須課題となっています。一方ライフスタイルの多様化やインターネットなどの情報通信技術の進展で、ますますオフィス業務の拡大が進展し、働き方が大きく変化してきており、オフィスでの省エネ対策が重要になっています。

一般的なオフィスビルでのエネルギー消費量の構成を見てみると、照明・コンセントによるエネルギー消費量が全体の40%強となっており、なかでもコンセントの大部分はPCなど情報通信機器によるもので、見える化などによるエネルギー管理とワークスタイルの変革などへの取り組みが必要となっています。


図表1.2−1:一般的なオフィスビルでのエネルギー消費量の構成
(省エネルギーセンター)

 

KKD(感・経験・度胸)ではなく、事実に基づき問題を可視化し、問題を科学的に把握・評価することが必要になります。Green Eco PC Watchingはネットワークに大きな負荷をかけずにPCの稼働状態をきめ細かく監視できるソリューションで、各PCの消費電力量やCO2排出量、電気料金を「見える化」して使用状況を表示するとともに、状況に応じて待機状態や強制停止状態にすることにより、消費電力の削減を利用者視点で行うことが可能です。また管理者は消費電力目標を設定し、一元的なエネルギ−管理も実現できます。

このようにこれまでの省エネ対策と違って、利用者の意識を高め、楽しみながら省エネ効果が期待でき、無理なく続けられる事で、新たなワークスタイルの変革を可能にする、即効性が期待でき、投資負担が軽いソリューションです。

 次回はオフィス省エネの実現に向けてどのようなアプローチが必要かについてスポットを当ててみたいと思います。

<参考文献>
1.「スマートグリッド革命」加藤敏春 著 NTT出版
2.「スマートグリッド」横山明彦 著 (社)日本電気協会新聞部
3.「スマートグリッド」諸住 哲 監修 ASCII MEDIA WORKS
4.「スマート革命の衝撃」エネルギーフォーラム編
5.「スマート革命」柏木隆夫 著 日経BP
6.「成功する見せる化のための組織作り」佐藤増雄著 Computer TELEPHONY 2008.9
7.「スマートシティ」日経ビジネス2010.9
8.「環境ビジネス」日本ビジネス出版2009.10
9.財団法人:省エネルギ−センターHP

佐藤 増雄:シグマ・パートナーズ代表 マスターブラックベルト
早稲田大学理工学部卒・評議員。大手電機メーカ時代に大規模プラントシステム開発、シックスシグマ経営変革業務を推進。学会賞受賞と専門委員国際会議チェアマンを歴任。その後、PwCコンサルティング、IBMビジネスコンサルティングサービスで戦略およびシックスシグマコンサルティングを多数実施。株式会社ジェネラル・サービシーズでクロスボーダー・アウトソーシング、コンサルティングを実施。現在、各種事業変革・業務改革コンサルティング、コンタクトセンター・アワード審査員、省エネ・環境ビジネスコンサルティング・事業開発などを実施。


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