「省エネ革命」の衝撃 −省エネの取り組みを科学する−
シリーズ 2

佐藤 増雄
シグマ・パートナーズ代表
 
マスターブラックベルト

.オフィスはもっと省エネできる

.1 KKDからの脱出

 様々な社員が一緒に仕事をするオフィスで、エネルギーを「見える化」し賢く使うと、エネルギー使用量は削減され、エネルギーを有効に使うようになると同時に、コスト削減につながります。

エネルギー情報の「見える化」により、利用者の関心や意欲を引き出し、行動へのインセンティブを設定する事で、利用者は気軽に自分のビジネススタイルでの環境貢献が出来、達成感や満足感が得られます。IT管理者と利用者が互いに情報を共有し、楽しく省エネ・オフィスを作り上げる、そんなオフィスを素晴らしいと思いませんか。

電気の基本料金は契約電力で決定されますが、契約電力はデマンド値(ピーク電力)で更新されます。電力会社はビル全体の使用電力を計測し、年間を通じて最大の電力量(ピーク電力)を契約電力としています。つまり現在のピーク電力を超えてしまうと契約電力が上がり、向こう1年間、今までより高い電気料金を支払わなければならなくなります。 

テナントとしてビルに入居している場合、想像以上に電気料金が高いと感じる場合は、他のテナントの使用量が影響している事もあり得ます。自社ビルにしろ、テナントとして入居している場合で有っても、KKD(感・経験・度胸)に頼らず、計測し「見える化」し確認する事が必要になります。

 

.2 PDCAを賢くまわす

「オフィスの状況を測定できないならば、それを理解することはできません」。オフィスのエネルギー使用量を分かりやすく「見える化」することで、社員が実態を把握・共有し、適切な対策を打つことが可能になります。

いつまでたっても同じような問題が繰り返し発生する職場があります。そうした職場ではいくつか共通の問題点がありますが、当事者がそれに気付いていない、「組織として関係する人たちに見えていない」、「必要なタイミングで見えていない」、「事実に基づかない情報が伝えられる」ということが往々にして見られます。

社員が共有できる「見える化」の仕組みを作るには、体系的、階層的にオペレーションレベルの「見える化」指標を抽出することが必要です。オフィスのエネルギー使用量を分かりやすく「見える化」するには、現状を把握して省エネ目標を設定(Plan)し、社員の動機づけによる対策を実施(Do)し、効果を検証(Check)し、十分な効果が得られない場合は、更に原因を分析し新たな改善目標を定め(Action)し、改善活動のサイクルを回すことが必要です。(図表2.2.−1:省エネの改善サイクル)

 



図表2.2−1:省エネの改善サイクル

 

良い「見える化」とは社員の真の意見も汲み取り、組織的な活動を促し施策を実行する積極的な動機付けをすることで可能になる「見える化」です。Green Eco PC Watchingの「見える化」とグリーンエコシグマ・コンサルティンにより、これらが可能になります。

全社レベルでのGreen Eco 改善サイクルが実現することにより、組織的な意識・行動の変革が実現でき、企業の姿勢を大きく進化させることにつながります。

 

 次回はオフィス省エネがもたらす多様な効果とそれを持続させるにはどのような施策が必要かについてスポットを当ててみたいと思います。 

<参考文献>
1.「スマートグリッド革命」加藤敏春 著 NTT出版
2.「スマートグリッド」横山明彦 著 (社)日本電気協会新聞部
3.「スマートグリッド」諸住 哲 監修 ASCII MEDIA WORKS
4.「スマート革命の衝撃」エネルギーフォーラム編
5.「スマート革命」柏木隆夫 著 日経BP
6.「成功する見せる化のための組織作り」佐藤増雄著 Computer TELEPHONY 2008.9
7.「スマートシティ」日経ビジネス2010.9
8.「環境ビジネス」日本ビジネス出版2009.10
9.財団法人:省エネルギ−センターHP 

佐藤 増雄
シグマ・パートナーズ代表 マスターブラックベルト

早稲田大学理工学部卒・評議員。大手電機メーカ時代に大規模プラントシステム開発、シックスシグマ経営変革業務を推進。学会賞受賞と専門委員国際会議チェアマンを歴任。その後、PwCコンサルティング、IBMビジネスコンサルティングサービスで戦略およびシックスシグマコンサルティングを多数実施。株式会社ジェネラル・サービシーズでクロスボーダー・アウトソーシング、コンサルティングを実施。現在、各種事業変革・業務改革コンサルティング、コンタクトセンター・アワード審査員、省エネ・環境ビジネスコンサルティング・事業開発などを実施。


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